京都の街を歩いていると、ふと空を見上げた先に美しい五重塔が見えることがあります。これらの塔は、古都の景観を象徴するだけでなく、当時の高度な建築技術や深い信仰心を今に伝える貴重な歴史的遺産です。エリアごとに点在する五重塔を整理して、効率よく巡るためのポイントをまとめました。
京都の五重塔一覧で有名スポットをまとめてチェックできる
京都には複数の五重塔が現存していますが、それぞれに異なる歴史背景や建築様式があります。有名なものから、少し足を延ばして訪れたい場所まで、一覧で把握しておくと旅の計画が立てやすくなります。それぞれの塔が持つ個性を知ることで、単なる景色としてだけでなく、歴史の深さを感じられるようになります。
有名な五重塔は東寺と法観寺が定番
京都を代表する五重塔といえば、まず「東寺」と「法観寺」が挙げられます。東寺の五重塔は高さ約55メートルを誇り、木造の塔としては日本一の高さを誇ります。新幹線の窓からも見えるその姿は、まさに京都の玄関口を象徴する存在です。弘法大師空海による密教の教えが込められており、幾度かの焼失を経て現在の塔は徳川家光によって再建されました。
一方、東山エリアにそびえる法観寺の五重塔は「八坂の塔」の愛称で親しまれています。こちらは高さ約39メートルと東寺よりは小ぶりですが、周辺の古い家並みとのコントラストが美しく、京都らしい風景を代表する場所です。聖徳太子が夢のお告げにより建立したと伝えられており、京都で最も古い塔の一つとされています。
このほか、世界遺産にも登録されている醍醐寺の五重塔(京都府下最古の木造建築物)や、江戸時代の優美な姿を残す仁和寺の五重塔も忘れてはいけません。東寺の圧倒的な高さ、法観寺の情緒ある佇まい、醍醐寺の歴史的な重み、仁和寺の洗練された意匠。この4つを軸に巡るのが、京都の五重塔鑑賞の王道です。
エリア別に見ると移動が組みやすい
京都の五重塔を効率よく巡るためには、エリアごとに分けるのがコツです。まず「京都駅周辺」なら、東寺が中心となります。駅から徒歩圏内にあるため、到着直後や帰宅前の限られた時間でも参拝が可能です。
次に「東山エリア」は、法観寺(八坂の塔)が含まれます。清水寺や高台寺、八坂神社といった主要な観光スポットが密集しているため、坂道を歩きながら景色の一部として楽しむことができます。さらに「洛西エリア」には仁和寺があります。嵐山や金閣寺方面への観光と組み合わせると、スムーズな移動が可能です。
少し離れた「山科・醍醐エリア」には醍醐寺があります。地下鉄を利用すればアクセスも良く、広大な境内を散策しながら五重塔を仰ぎ見ることができます。このように、自分の目的地に合わせて近くにある五重塔をチェックしておけば、移動時間を無駄にすることなく、充実した寺社巡りが楽しめます。
拝観できる日とできない日がある
五重塔を訪れる際に注意したいのが、内部の拝観(初層公開)についてです。多くの五重塔は、普段は扉が閉ざされており、中に入ることはできません。多くの場合は、春や秋の「特別公開」の時期、あるいは特定の行事がある日に限って内部が公開されます。
たとえば東寺では、お正月や春・秋の特別拝観期間に合わせて、五重塔の内部が公開されることが多いです。内部には美しい心柱や、精巧な仏像、壁画などが残されており、外観からは想像できない密教の世界を体感できます。一方で、法観寺のように内部の公開が非常に稀であったり、天候や維持管理の状況によって急遽閉鎖されたりする場合もあります。
もし「塔の中を見たい」という目的があるのなら、事前に各寺院の公式サイトを確認することが必須です。2026年の特別公開スケジュールも、季節ごとに更新される情報をしっかりチェックしておきましょう。外から眺めるだけでも十分美しいですが、期間限定の内部公開に立ち会うことができれば、旅の思い出はより深いものになります。
写真映えする時間帯は朝と夕方が多い
五重塔を美しく写真に収めたいなら、太陽の位置を意識した時間帯選びが重要です。東山にある法観寺(八坂の塔)は、朝日が当たる午前中の早い時間がおすすめです。まだ観光客が少ない時間帯なら、静まり返った石畳の坂道と、朝露に濡れた塔のシルエットを静かに撮影できます。
東寺の五重塔は、夕暮れ時が非常に美しいです。西日に照らされた黄金色の塔が、手前の池に鏡のように映り込む様子は絶景です。空の色が青からオレンジ、そして紫へと変わっていくマジックアワーは、五重塔の威厳をより一層引き立ててくれます。
また、仁和寺や醍醐寺のように自然豊かな場所にある塔は、木漏れ日が差し込む時間帯や、雨上がりのしっとりした雰囲気も絵になります。五重塔は季節ごとの花や紅葉とも相性が良いため、その時々のベストな光を探してみてください。光の当たり方一つで、同じ塔でも全く異なる表情を見せてくれます。
京都の五重塔巡りにおすすめのガイドブック
五重塔の歴史や構造を深く知るには、専門的な視点を持つガイドブックが役立ちます。2026年の最新情報を反映した書籍を選べば、拝観時間やアクセス方法の変更にも対応できます。
| 書籍名 | 特徴 | 発行・公式サイト |
|---|---|---|
| 京都2026【ハンディ版】 | 2026年最新の観光情報と持ち運びやすさを両立 | JTBパブリッシング |
| まっぷる京都’26 | 地図が詳しく、写真映えスポットの情報が豊富 | 昭文社 |
| 京都手帖2026 | 行事カレンダーが充実しており特別公開を逃さない | 光村推古書院 |
五重塔入門
五重塔の建築美に特化して学びたい方におすすめなのが、建築様式や構造を詳しく解説した入門書です。五重塔がなぜ地震に強いと言われているのか、中心を貫く「心柱(しんばしら)」の役割とは何かといった、技術的な側面を分かりやすく解説しています。
こうした知識を持って実物を見上げると、細かな組み木や屋根の反りの美しさに改めて驚かされます。特に東寺のような巨大な塔を前にしたとき、当時の人々がどのようにしてこれほど高い建造物を造り上げたのかを想像する楽しさが生まれます。構造を知ることは、古の職人たちの知恵と技術への敬意を深めることにもつながります。
五木寛之の百寺巡礼 ガイド版 第三巻 京都1
作家・五木寛之氏が京都の名刹を巡る記録をまとめた一冊です。単なる観光ガイドとは異なり、お寺が持つ物語や精神性に深く踏み込んだ内容になっています。五重塔がある東寺や醍醐寺についても、その成り立ちや神聖な空気感が叙情的な文章で綴られています。
静かに塔を眺めながら、その背景にある深い信仰心や歴史のうねりを感じたい方にぴったりです。移動中の電車やバスの中で少しずつ読み進めることで、目的地に到着したときの視点がより豊かなものになります。歴史に名を残した僧侶たちの想いや、人々の願いを背負って立つ塔の姿が、文章を通して鮮やかに浮かび上がります。
京都2026【ハンディ版】
最新の観光情報がぎゅっと凝縮された、定番のガイドブックです。2026年版では、最新のバス路線や最新の拝観料、周辺のカフェ情報などが細かく更新されています。ハンディサイズなので、カバンに入れて歩きながらでも邪魔になりません。
特に五重塔周辺の散策ルートが分かりやすく示されているため、迷うことなく有名スポットを巡ることができます。特別公開の時期や、その時期限定の御朱印情報なども網羅されており、初めて京都を訪れる方からリピーターの方まで幅広く活用できる一冊です。地図も最新のものなので、スマートな移動をサポートしてくれます。
まっぷる京都’26
ビジュアル重視で旅の計画を立てたい方に最適なのが「まっぷる」です。五重塔が映える撮影ポイントや、周辺で食べられる美味しいグルメ情報が大きな写真とともに紹介されています。2026年版でも、SNSで話題の最新スポットと歴史ある名所の組み合わせが提案されています。
「ここに行けば間違いない」というおすすめコースが充実しているため、効率よく五重塔を回りたい場合に非常に便利です。また、付録の地図が非常に見やすく、スマートフォンの地図アプリと併用することで、歩く距離や時間を把握しやすくなります。旅行前のワクワク感を高めてくれる一冊です。
京都手帖2026
京都で暮らすように旅をしたい方や、地元の行事を大切にしたい方に愛されているのが「京都手帖」です。最大の特徴は、365日分の京都の行事や特別拝観の予定が詳細に記されたカレンダー機能です。五重塔の初層公開など、期間限定のチャンスを逃したくない方には必須のアイテムです。
2026年の手帖には、その時期ならではのお菓子や、地元の人しか知らないような小さなお祭りの情報も載っています。スケジュール帳としても使えるため、旅の準備から当日の思い出記録まで、一冊にまとめられるのが魅力です。五重塔巡りをきっかけに、より深い京都の文化に触れるためのパートナーとなってくれます。
五重塔を楽しむ回り方と写真スポットのコツ
五重塔を存分に楽しむためには、ルートの選び方と撮影の仕方に工夫が必要です。単体で見るのも良いですが、周囲の風景と組み合わせることで、京都ならではの風情をより強く感じることができます。
清水寺周辺は坂道の景色と合わせやすい
東山エリアにある法観寺(八坂の塔)は、周辺の坂道とセットで楽しむのが正解です。特に「二年坂(二寧坂)」や「三年坂(産寧坂)」から塔を望む景色は、江戸時代の面影を残す町家と石畳の道が相まって、非常に情緒豊かです。
坂道を上りきって振り返った瞬間に見える塔の姿は、多くの人がイメージする「京都」そのものです。このエリアは早朝の散歩が最もおすすめで、朝日が差し込む中で自分の足音だけが響く中、塔を眺めると心が洗われます。清水寺の舞台から遠くに八坂の塔を探してみるのも、隠れた楽しみの一つです。
東寺はライトアップ時期が狙い目になる
京都駅の南にある東寺では、春の夜桜や秋の紅葉の時期に行われる夜間特別拝観が非常に人気です。ライトアップされた五重塔が暗闇の中に浮かび上がる様子は、昼間とは全く異なる神々しさがあります。
特に、境内にある「ひょうたん池」の周りには多くの人が集まります。風がない穏やかな夜には、池の表面に五重塔がはっきりと反射し、実物と反射が合わさった幻想的な光景を撮影できます。2026年のライトアップ期間も、最新の開花情報を確認して、一番美しい時期を狙って訪れてみてください。
混雑を避けるなら平日午前が歩きやすい
京都の観光地はどこも賑やかですが、特に五重塔の周辺は多くの人で混み合います。ゆっくりと塔の細部を観察したり、落ち着いて写真を撮りたいのであれば、平日の午前8時から10時頃までを狙うのが鉄則です。
多くの観光客が動き出す前のこの時間は、空気も澄んでいて、塔が持つ凛とした佇まいをより強く感じることができます。また、主要な観光ルートから一本裏道に入るだけで、塔が見える隠れたスポットが見つかることもあります。時間に余裕を持って、自分だけの特別な「五重塔が見える場所」を探しながら歩くのも、贅沢な楽しみ方です。
マナーと撮影ルールを先に確認しておく
五重塔がある場所は、すべて神聖な信仰の場であることを忘れてはいけません。撮影の際には、三脚の使用が禁止されている場所も多いです。また、商用撮影や長時間の場所の占有は他の方の迷惑になるため、周囲に配慮しながら手早く撮影しましょう。
特に法観寺周辺の坂道では、私有地に入り込んだり、通行の邪魔になったりしないよう注意が必要です。最近では撮影ルールが厳格化されている場所も増えているため、現地の看板をしっかり確認してください。マナーを守ることは、美しい景観を次世代に繋げることにもつながります。敬意を持って参拝し、心に残る記録を大切に持ち帰りましょう。
京都の五重塔は一覧で整理すると効率よく巡れる
京都の五重塔を巡る旅は、事前の準備とエリアの整理で何倍も充実したものになります。東寺、法観寺、醍醐寺、仁和寺といった名塔を一覧で把握し、2026年の最新ガイドブックを参考にしながら計画を立てれば、移動の無駄を省き、最高の瞬間に出会える可能性が高まります。
五重塔は、見る角度や時間帯、季節によって無限の表情を見せてくれます。お守り代わりにガイドブックを携え、マナーを守りながら、空を指す黄金比の塔を見上げてみてください。千年以上の時を超えてそこにある塔の姿は、きっと今のあなたに大切な何かを語りかけてくれるはずです。
